サース通信年4回発行のサース通信から毎号の特集記事のみを抜粋しています。
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11月10日”いいトイレの日”まち歩き・トイレワークショップ開催 22:28
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    [特集]
     11月10日”いいトイレの日”
     まち歩き・トイレワークショップ開催!




    11月 10日の午後、「いいトイレの日」に合わせて、ご協力いただいている障害者支援団体の方々と、小田急線の成城学園前駅から祖師谷大蔵駅まで歩きながら、いろいろな種類のトイレの調査を楽しみました。お天気が危ぶまれましたが運よく雨も上がって、この時期にしては汗ばむ陽気となり、ゆっくりと 7か所の公共施設内のトイレの調査ができました。
     
     昨年度に続き、2回目となる今回のワークショップは、皆さんからの提案でコースを決めました。拡大検討会で評価の高かった「成城コルティ」をはじめ、新しい砧総合支所のトイレも見学の要望が高かったところです。設置された時期によってもずいぶん設備や広さが違うこと、整備されていても実際の使いやすさにはつながらない場合もあるなど、たくさんの発見がありまた。

     参加者は 7団体 8名の方々と、(社福)世田谷区社会福祉協議会の職員の方も同行してくださいました。さて、それぞれどんな評価だったのでしょうか?

    ■成城学園前駅構内(1階)のトイレ

     まずは成城学園前駅構内で集合した後、駅構内のトイレから調査開始。「わかりやすいところにある」「広さも十分である」「ドアの幅も十分あり、出入りしやすい」「大人用おむつ替え台があってよい」など高く評価される点が多くありましたが、「点字案内プレートはあってもわかりにくい(視力の弱い方)」という意見も出されました。また非常呼び出しボタンが、腰の位置と、トイレ内で倒れた場合にも押すことができる足元との 2か所に設置されていることを評価する意見も出されました。
     また〈だれでもトイレ〉前のベンチについては、「待つ間に座れてよい(杖使用の方)」という意見がある一方、「ベンチスペースが広くてもったいないので、トイレ内部を広げた方がよい(車イス利用の方)」など賛否が分かれましたが、これにより改めてしょうがいのある方がそれぞれに必要なものが異なることを実感しました。

    ■成城コルティ(2階)のトイレ

     拡大検討会で評価が高かったトイレです。エレベータを降りると正面にはフロア案内サイン、通路上部には誘導サインがあり、それに従ってまっすぐ進むとトイレ前に到着します。広さもあり、オストメイト機器や大人用おむつ替え台もある上に、白と濃茶の落ち着いた内装が施された内部を見て、評価が高かったことに納得。
     このように設備が充実したトイレについては、機器の配置や大きさなど、細部についての意見が出されました。

    「車イスでの回転がしやすいように、洗面器のサイズや温水器の位置などを工夫し、内部の凸凹が少なくなるとよい」「車イスでの動作は時間がかかるので、電動ドアの開閉時間がもう少し長いとよい」「トイレ前通路の明るさを抑えているために入口サインが見えづらい」「通路の誘導サインが控えめで見つけづらい」という声があり、ここでも障害の違いによって、さまざまな意見があることを実感しました。

    ■砧総合支所・成城ホール(1F)のトイレ

     3か所目は、新しくなった砧総合支所 1階のトイレを調査しました。入り口を左手に折れてすぐのわかりやすい位置にあり、音声案内も設置されていますが、「音声内容がわかりにくい」との意見もありました。また室内がやや狭いため「車イスで入ったまま、おむつ替え台を広げることができない」などの指摘があり、設備があっても利用者の状況によっては設備が活かされない場合があることも改めてわかりました。一方、オストメイト(人工肛門や人工膀胱を装着している人)対応機器があること、手すりや各種ボタンの位置、室内での動きやすさなどについては、おおむね評価されていました。

    ■世田谷区社会福祉協議会(1F)のトイレ

     4か所目となる砧総合支所の前の建物内にある社会福祉協議会 1階のトイレは、便座を上げて蛇口を便器側に倒して使用するタイプのオストメイト対応トイレで、オストミー協会の方も初めて見たということでした。
     これならば既存トイレに設置することができ、利用の際の高さも大丈夫だという、当事者ならでは意見も出されました。また、ここは建物に入ってすぐにトイレが設置されているので、気兼ねせずに利用しやすく、また職員の方からは「利用者が少ないので穴場だ」との話もいただきました。

     その後、仙川を越えて祖師谷大蔵駅方面へ向かう途中の「区立砧図書館」「祖師谷あんしんすこやかセンター」「区立祖師谷地区会館」にて、それぞれ築年数の古い建物内のトイレを〈だれでもトイレ〉として改装されたものを調査しました。

    ■区立砧図書館のトイレ

     砧図書館の〈だれでもトイレ〉は既存のトイレ内に設置されていましたが、ブース内は狭く、設備の使用に際しても難しい面が見られました。手すりの位置にやや難がある他、設置されているオストメイト機器は案内板を見ても利用方法がわからないという意見も出ました。

    ■祖師谷あんしんすこやかセンター(3階)のトイレ

     ここはトイレまでの廊下が狭く、車イスではすれ違いができません。またトイレの設置状況があまり認知されていないので、ふだん利用することはあまりないとの意見も聞かれました。

    ■区立祖師谷地区会館(1F)のトイレ

     祖師谷地区会館のトイレでは、会館内が土足厳禁であるために靴を脱ぎますが、履き替え場に手すりやベンチなどがないため、杖利用の方は履き替えに苦労されている場面も見られました。

    ◎調査&ワークショップをふりかえって

     新しい施設のトイレでは「オストメイト対応」「大人用おむつ替え台付き」「ウォシュレット」など、設備の充実したトイレが増えてきているようですが、利用当事者の視点で調査すると多くの課題があることがわかりました。また、そのような設備が増えることにより、操作方法がわかりにくくなってしまったり、操作ボタンが多く、ボタンの配置も色もサイズもトイレごとに異なることから、共通の仕様をつくるとよいなど、これまでの検討会で出されていた内容を改めて実感できました。
     
     改装してできた〈だれでもトイレ〉は、トイレまでの段差は解消されていて車イスの人もトイレまでは行けるものの、どれも内部空間が狭く介助が必要な方の利用は難しいとの意見が出されました。

     参加の皆さんには、最後まで熱心に調査していただき、貴重なご意見をたくさんいただき、ありがとうございました。今回の調査&ワークショップでいただいたご意見や、継続中のトイレ調査の結果を今後の〈だれでもトイレ〉づくりに活かしていただけるように、SAHSはこれからも情報発信を行っていく予定です。
    | サース通信33号/2009年12月 | - | - | posted by news-npo-sahs -
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