サース通信年4回発行のサース通信から毎号の特集記事のみを抜粋しています。
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障害をもつ4人の新しい住まい『グループホーム よこかわ』(八王子市横川町)がオープン 12:00
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    11月29日、みんなが待ちかねていたグループホームがオープンしました。住み手の4人は、身体障害と知的障害をあわせて持っています。ここでは、5人のスタッフと地域の食事ボランティアさんなどの手助けを受け、自宅を離れて自立生活をはじめます。

    ■地域住居に向けた地道な活動
     運営するのは、八王子で障害者の作業所などの運営を続けてきた第二若駒グループです。今回のグループホームの立ち上げにあたって、新しく特定非営利活動法人若駒ライフサポートを設立しました。
     若駒は、グループホームの開設に向けて、資金の準備やスタッフの育成、地域ボランティアの呼びかけなど地道な活動を続けてきました。改装した賃貸住宅も1年以上前から借り、3、4人で1週間ずつ宿泊する一時体験宿泊を繰り返して、入居の準備を進めてきました。この期間が、入居する方の適応力のみきわめと、環境の変化に少しずつ対応することに役立ちました。また、ご家族側としては、お子さんを手元から手放す心の準備期間にもなったようです。
    ■限られた予算のなかで、安心で快適な住まいを
     2002年1月、SAHSに設計支援の声がかかりました。さっそく、建物の調査をしたところ、間取りの変更だけでなく、大幅な耐震補強が必要と判断しました。補助金の枠内という限られた予算のなかで、安全性を第一にしつつ、入居者の方々ができるだけ自立生活をできるように打合せを重ねました。
     車椅子で2階の部屋を使うので、エレベーターは必需品です。ひとりで使えるお手洗いが、和式の人、手すり付きの洋式の人などそれぞれなので、お手洗いは3つ。車椅子で移動しやすいように廊下の幅も広げました。
     予算内におさめるため、もともと使っていた建具を再利用したり、中古品を持ち寄るなど、多くの人や職人さんの力を借りて、使い勝手がよく、安心で明るい、新しい住まいができました。
     地域のなかで、さまざまな人との関わりを持ちながらつくり出す『グループホームよこかわ』の暮らしがこれからはじまります。(K.N)

    グループホームよこかわ 東南から(画像)
    住人のMさん、玄関にて。突き当りが小型エレベーター(画像)


    グループホームよこかわより

     私たちが、「生まれ育った場所で、仲間とともに暮らしていけるように」とみんなで話し合ったのは、もう15年くらい前のことです。
     当時は、国際障害者年からノーマライゼーションが言われ始め、私たちの街でも一人暮らしを始める障害者が少しずつ出てきました。しかし、重度重複という身体障害と知的障害を併せ持つ人たちは、まだまだ親の世話の元で暮らしていました。そこで、親のレスパイト(休息)ができ、障害者も家から離れて宿泊できる場をつくりました。
     約8年くらい、10名のメンバーが3人ずつ交替でグループ宿泊として定期的に泊まっていました。その中から、今回のグループホームへ4名の人が入居することになりました。
     このように私たちは初めから仲間づくりを大事にしてきました。そして、障害者自身が、それぞれのペースに合わせて泊まる体験と、親以外の人から介助をしてもらう体験も大切にしてきました。私たちの取り組みが、東京都の重度身体障害者グループホーム制度に繋がり、非営利活動法人で運営ができ、賃貸住宅でもよいという条件になりました。2003年度の制度変更後は、ホームヘルプサービスを使って地域の中でそれぞれの暮らしぶりをつくっていきたいと思います。
     今後の課題は、一人一人の生活をどのように支援していくか、地域資源の活用をどう生かしていくかなど、入居者の暮らしを支えていく方法をつくっていくことです。
     さらに、第3者機関による監視機能をつくることです。これは、介助面、金銭面、食事と衛生面、職員や介助者の対応面などの人権や財産管理について監視してもらう機能で、地域の人や障害当事者や親などで組織してもらいたいと思っています。
     また、今回のグループホームに入れなかった人達のために、次のグループホームづくりと、グループホームを卒業し、地域で暮らしていける介助支援や生活全般のサポート体制をつくっていくことです。
     最後に、グループホームは家庭的で良いと言われる一方で、施設よりも対応が悪くなるとも言われています。確かに、密室になりやすく、職員の質や運営の考え方に左右されてしまうことがあります。このことを常に意識して運営をしていかなければならないと思います。障害者が自由に自分の生き方をしていけるように支援していきたいです。
      (グループホームよこかわ所長 大須賀裕子)

    ■運営概要
    ・建築名称:グループホームよこかわ
    ・運営主体:特定非営利活動法人 若駒ライフサポート
    ・住み手 :4名
    ・スタッフ:所長 1名、常勤 2名、非常勤 3名
          食事ボランティア 12名
    ・利用補助制度
     運営費:東京都重度身体障害者グループホームBタイプ
     改装費:東京都重度身体障害者グループホーム緊急整備費補助
    〔入居者の月々の費用負担〕
    ・家賃    各35,000円/月
    ・光熱水費  電気:各個室は利用分支払い(子メーター有)
           その他:入居者4名と共用部分で分割
    ・食費    朝夕2食 800円×食べた回数
    ・共益費(消耗品など) 約10,000円程度
    〔介助について〕
    ・グループホームの職員とヘルパー派遣制度(2003年度から居宅支援費制度)による
     ヘルパー介助で、夕方から翌朝まで3名体制。
     (作業所の通所中は付き添いなし。作業所休日の昼間は個々人に対応。

    ■建築概要
    建築地       東京都八王子市横川町
    敷地面積      308.28
    延床面積      212.33
    構 造       木造2階建
    用 途       店舗付住宅を賃貸契約し、グループホームに改装
    設 計       特定非営利活動法人 SAHS(サース)
               担当/井上 文、松尾初美、中里京子
               構造設計/螢▲肇螢┘妊ック 増田信彦
    施 工       新協建設工業株式会社(多摩営業所)
               担当/澤田 博
    建設費       2,400万円(改装工事費 2,200万円
                   設計監理費  200万円)
    設備概要     小型エレベーター(3人用)
               冷暖房:電気エアコン及びガス暖房機、石油ヒーター併用
               水道、電気、都市ガス設備

    ■第二若駒のグループホームへの活動
    1990年〜     スペースらせり(短期の個人宿泊体験及びグループ宿泊体験の場)開始
    1997年〜     ろばの家(地域で自立するためのグループ宿泊体験及び緊急一時利用)開始
    1999年〜     利用者の一人、Hさんがろばの家でひとり暮らしをはじめる
    2001年6月〜  グループホームよこかわ(改装前)にて、3〜4人による4泊5日宿泊体験所開始
    2002年11月〜 グループホームよこかわ・定員4名のグループホーム開設

    ※重度身体障害者グループホーム(東京都運営費助成の定義)
     家庭での日常生活に支障のある重度身体障害者が、日常生活に適する居室を利用し、ヘルパー等地域の力を借りて、地域生活の助長をはかるもの。福祉ホーム型のAタイプと、民間アパートを借り上げて活用するBタイプがある。

    〔Bタイプの利用概要〕
    利用者と経営主体(地方自治体または社会福祉法人、NPO法人等)との契約による。利用定員4〜10名。賃貸住宅可。
    ・運営費補助:1,470,7万円(2002年度。年額。都と市が1/2ずつ)

    〔重度身体障害者グループホーム緊急整備費補助〕
    Bタイプに対し、創設及び改築について、延べ床面積に応じて補助がある。120岼幣紊両豺隋2,400万円(2002年度自己負担1/8)


    ■オープンまでの流れ
    2001年6月 店舗付住宅を借家し、重度重複障害者のグループ宿泊体験所として活用
    2002年1月 改装計画にむけて設計開始(SAHSに声がかかる)
          2月 運営団体がNPO法人取得
          3月 SAHS、よこかわのグループ宿泊所に宿泊体験。
             入居予定者の家庭を訪問。
          4月 東京都の運営費補助が決定
             八王子市の運営補助の10月開始が内定
          8月 東京都の施設設備費補助が内定
             設計契約。実施設計終了。
             工事契約、工事着工
    2002年11月下旬  改装工事終了。入居がはじまる。
    | サース通信06号/2003年3月 | - | - | posted by news-npo-sahs -
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