サース通信年4回発行のサース通信から毎号の特集記事のみを抜粋しています。
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両親が暮らした家を、地域に役立つ場に。デイサービスセンターNOAH(ノア)2001年12月10日オープンしました! 12:00
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    第1号でお伝えしました金沢八景の通所型介護施設がオープンしました。今回は特集としてお伝えします。

    ■両親の家を地域のために
    「相次いで亡くなった両親の住まいを、生前お世話になった地域福祉サービスの一助に活用してもらえる方法はないだろうか・・・」
     こんなご相談が投げかけられたのは、「デイサービスセンターNOAH」がオープンした昨年12月をさかのぼること1年前です。
     その住宅は静かな住宅地に建つ平家で、敷地の半分は紅白の梅や松が立ち並ぶみごとな日本庭園でした。
     SAHSからは
    1.高齢者のグループホームとして建て直す
    2.改装して通所型デイサービスセンターにする
    という提案を行いました。
     しかし、いずれにしても、問題は運営の担い手がいるかどうかです。しっかりとした経営を行えることはもちろんのこと、「地域のサロン的な場としても活用してほしい」という持ち主Kさんの意向を汲み、非営利的活動ができる団体に運営してもらうことが理想でした。

    ■地元の非営利活動グループとの出会い
     このような状況の中、これまでのネットワークを通して出会えたのが神奈川生活クラブ生協の活動グループの方たちでした。この方たちは、提供地周辺で高齢者サービス事業を、働き手が共同で経営する「ワーカーズ・コレクティブ」という事業体で始めようと研究会を立ち上げたところでした。
     早々に研究会を運営準備会に切り替え、Kさんとお会いし、住宅らしさと庭園を活かしたデイサービスセンターにすることになりました。
     運営準備会は、話が持ち上がってから3ヶ月という短期間で特定非営利活動法人(NPO)を設立し、さらに認可がおりるまでの4ヶ月間に、一緒に働く方たちを集める、地域の方や施設利用者に声をかける、などハードスケジュールの中で運営できる体制づくりを進めました。

    ■NOAH(ノア)とオリーブ
     施設完成までの日程が見えてきたある日、Kさんか ら「施設の名前は既に決めているんです。」とのお話があり、それがノアの方舟の「NOAH」でした。
     施設を利用する方々がこれまでの生活を振り返りつつ、心穏やかに新しい船出をする場所になれば・・・そんな思いが込められていました。それを聞いた運営グループは、考えあぐねていたワ−カ−ズコレクティブの名称を「オリーブ」と決めました。ノアの方舟に乗った鳩が飛び立ち、最初にくわえてきた植物がオリーブだったそうです。平和の象徴として描かれる「オリーブをくわえた鳩」の情景です。Kさんはその話を喜びと驚きで迎えました。実はKさんはその鳩の絵を以前からお持ちになっていたのです。
     2001年12月10日、オープンした「デイサービスセンターNOAH」の玄関ホールには、マチスが描いたオリーブをくわえた鳩が飾られています。

    写真上:玄関ホールに飾られた鳩の絵
    写真下:食堂で行われたオープニングセレモニー

    ■オリーブから
     デイサービスセンターNOAHは、福祉に役立ててほしいという方から提供していただいた住宅で、介護保険に対応するためにNPO法人を取得したワーカーズ・コレクティブオリーブが、提供者と賃貸契約を結んで運営を行っているデイサービス施設です。
     改修費用は提供者が負担しており、開設に必要な費用は、オリーブが自分たちの出資や借入で調達しました。個人の資産を社会貢献に使うことと共に、それを使って、事業の全てを非営利の市民事業であるワーカーズ・コレクティブ方式で運営するという新しい試みです。
     海に近い閑静な住宅街の一角にある、庭の美しい木造平家建ての住宅という条件を生かし、身近で家庭的な、利用者の意向を尊重したサービスを提供します。できる人ができる時に、そして、「いずれは自分も利用したい」という、地域での『たすけあい』『お互いさま』を基本とした生活支援サービスを行いたいと考えています。
     NOAHは、大勢の方々の「知恵や労力、時間やお金」をかけて実現したものです。経験のない私たちでしたが、アドバイスを頂きながら、法人格取得に始まり、介護保険事業者申請、掃除のやり方に至るまで、開設や運営に関する何から何まで自分たちで考え、自分たちで進めてきました。今後も試行錯誤の繰り返しだと思いますが、それでも、つくるおもしろさを知り、かかわっていけるのは、一人一人がリスクと責任を負いながら、地域に必要な「モノやサービス」を生み出すワーカーズ・コレクティブという働き方だからこそです。
     これから迎える超高齢・少子社会では、介護保険は始まってもサービスは不足します。私たちは「年老いても住み慣れた地域で自分らしくできるだけ自立して暮らせる、多様な生き方、暮らし方を支える福祉システムをつくりたい」と考えています。NOAHがその拠点となり、モデルとなるよう、夢を大きくふくらませながらまずは、デイサービスを充実させたいとスタートしたところです。
    (特定非営利活動法人ワーカーズ・コレクティブオリーブ理事長 高橋桃代)

    ■運営概要
    ・開所時間 :月〜土曜日  午前9時〜5時
    ・利用対象者:主に介護保険利用の方
    ・利用定員 :15名
    ・利用料金 :介護保険利用の方
             保険自己負担分1割
             食事など実費
           介護保険対象外の方
             1日基本料3,000円
            (送迎、入浴、食事別料金)
    ・サービス内容:自宅までの送迎、入浴介助
            手作り昼食、簡単な体操
            趣味の時間、お茶の時間

    オープニングセレモニー後の記念撮影
    NOAHオーナー、オリーブ理事・スタッフ、SAHSメンバ−

    ■建築概要
    ・名  称:デイサービスセンターNOAH
    ・建 築 地:神奈川県横浜市金沢区柳町
    ・敷地面積:392.12・
    ・延床面積:116.12・
    ・構造階数:木造平家建て
    ・運営主体:NPO法人ワーカーズ・コレクティブ
          オリーブ
    ・設計監理:一級建築士事務所 環境企画G
    ・施  工:大木建設工業株式会社
    ・コーディネート:NPO法人 SAHS(サース)

    相談からオープニングまでの流れ
    2001年
    1月・計画地の所有者K氏より、御両親の住まいだった敷地(建物含む)を
       地域の高齢者福祉に利用する方法の相談を受ける。
    4月・高齢者向け集合住宅と、現住宅を活かした通所介護施設の計画を提案する。
      ・神奈川ネットワーク運動及びワーカーズ・コレクティブたすけあい金沢エプロンに
       計画地で事業を進める可能性について相談する。
         →デイサービス事業開始の意向あり
      ・K氏と設立準備メンバー初顔合わせ。
       運営、改装等について意見交換する。
    6月・K氏と設立準備メンバーで通所介護施設として賃貸契約内容の話し合いを行い合意する。
       K氏夫人が運営団体の理事に加わることが決まる。
    7月・計画地の町内会長へ事業開始の挨拶。
      (K氏、運営準備会共に)
      ・運営主体「NPO法人ワーカーズ・コレクティブオリーブ」設立総会。
       神奈川県へNPO法人申請提出。
    8月・改装計画設計終了
    9月・改装工事契約を行い、工事開始。
      ・地域説明会開催。スタッフ参加者及び利用者の呼びかけを行う。
    10月・オリーブ、NPO法人取得
    11月・オリーブ、介護保険指定事業者申請提出
      →12月初旬認可。
    11月末日・工事竣工
    12月10日・オープン
    12月15日・利用開始



    プロジェクトでのSAHSのかかわり・役割

     ・志ある人と潜在的な事業者を結ぶ
     ・利用対象地域の需要調査
     ・開設へ向けての行政への働きかけ
     ・施設見学会等の企画支援
     ・オーナーと事業者のコ−ディネート
     ・事業者メンバー間の意見調整

     このプロジェクトは世田谷区外でしたが、これをモデルに世田谷をはじめ各地域に未利用の住宅や部屋を利用した、地域で有効に使われる場所が増えることを期待しています。
     デイサービスセンターNOAHを利用、および見学御希望の方はSAHS事務局までご連絡ください。

    外観
    外観は、玄関に庇をつけただけなのでほとんど変わっていません。
    廊下
    壁には葛飾北斎の「金沢八景」の八枚の版画が飾られています。
    洗面所・トイレ(左)と浴室(右)
    以前は、浴室と6畳の和室だったところを、利用される方のことを考え思いきって改装しました。
    各々が車椅子対応の広い空間になっています。
    厨房
    以前の台所の広さをほとんど変えず、カウンターを挟んだオープン型にすることで、大勢のスタッフが一度に作業できるようにしました。
    浴室
    浴室内には、介護度の高い方でも気軽に利用していただけるように、電動油圧式のリフトをつけました。
    | サース通信02号/2002年3月 | - | - | posted by news-npo-sahs -
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